ナミヤドリダニ属の一種 (Vulgarogamasus sp.)
5月10日、千葉県某所の水路横で採集した落葉から、トビムシを捕食するトゲダニを発見しました。
このトゲダニは足が早く、光を嫌い、撮影を試みるとトビムシを抱えたまま走り回っていました。
1匹を標本にし、写真を深度合成したのがこちらです。
覆面です。
胸部中央の下向きの三角形が生殖板です。
生殖板がこのように尖っており、かつ円形の構造物が無いことから、このダニはヤドリダニ科と判断できます。
日本産ヤドリダニ科の既知種は6種います。
(未知種も多いと言われています。日本産土壌動物第2版には5種と記載が有りますが、後に1種見つかり現在6種)
背板は前後に別れており、前側の背板の毛がほぼ同長・同型なのはナミヤドリダニ属2種に限定されます。
1. フジサンムシクイダニ(Vulgarogamasus fujisanus)
2. ケンヤドリダニ(Vulgarogamasus edurus)
前者のフジサンムシクイダニは洞窟生のようなので、おそらくは後者のケンヤドリダニの可能性が高いです。
が、深度合成では確認仕切れなかった種レベルの同定形質がいくつか有るので、ここでは属までの同定に留めます。
参考文献: